現在、新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るってます。
2 ヶ月前は「対岸の火事」的に考えてた我が国にもその影響が出てきてます。
私は2月中旬にスペイン・フランスに出張に行ってました。
その時のEUはまだまだ遠いアジアでの出来事との感じで、
人々は陽気にショッピング、食事などを楽しんでました。
観光客が沢山いたルーブル美術館辺りに誰もいない映像を観ると同じ場所とは思えません。
スペインの友人はまるで映画の中にいるみたい、ゴーストタウンだと話してました。
中国から発生したウィルスがあっと言う間にEU諸国に広がり今ではアメリカそして全世界に。。。
グローバル化がこんな形で現れるとは予想もしてない展開になっております。
しかし、人類は今まで様々の疫病と戦ってきた歴史があります。
歴史から今後私達が取るべき行動や心構えが見えてくるかもしれません。
天然痘
天然痘の正確な起源は不明です。
紀元前のミイラから天然痘の痕跡がみられます。
6世紀に日本では天然痘が流行し、遣唐使が文学・文明と共に持ち帰ったと言われてます。
奈良の大仏の造営は天然痘の流行がきっかけでした。
15世紀にコロンブスの新大陸上陸により、アメリカ大陸で大流行しました。
この時のアメリカの原住民は天然痘の免疫がなかったため、一気に広がり、死亡率9割にもなる所や全滅した部族もあります。
アステカ帝国・インカ帝国の滅亡の一つとして天然痘があったと言われてます。
侵略してきたスペイン人達は天然痘の免疫があった為に病にはかかりませんでした。
原住民たちはなぜ自分たちだけが病で死ぬのか不思議だったそうです。
そこでスペイン人が信仰していたキリスト教のご加護ではないかと思い、
その後、南米に広くキリスト教が布教することになったのです。
50年で人口が8000万人から1000万人に減少しました。
20世紀になった1980年にWHOが天然痘の世界根絶宣言をしました。
天然痘は人類が根絶した唯一の感染症です。
黒死病(ペスト)
14世紀のヨーロッパに大流行
ノミからネズミにネズミから人に感染したペスト菌でした。
この病は「黒い斑点」ができて死んでいくことから「黒死病」言い恐れられていました。
当時のヨーロッパの人口の3分の1の2500万人が命を落としました。
社会情勢も大きく変わり、農奴制の崩壊や100年戦争の終焉が起こり、労働者の権利や農民への報酬の支払いなどがありました。
農業労働者の減少により、手間のかからない植物として「ブドウ」が栽培されました。ヨーロッパで多くワインが生産されるようになったのです。
また、この状況をもたらしたことを誰かのせいにしたい人間のサガが、「ユダヤ人が宗教的陰謀のため病原菌を撒いた」と噂されて各地でユダヤ人虐殺事件も起きました。
こうした二次災害も起こってしまいました。
1894年に北里柴三郎(北里研究所の創始者)によりペスト菌が発見され、有効な確立されました。
しかし、現在でも根絶はされてないため感染のリスクは残ってます。
スペイン風邪
1918年に始まり1920年に収束しました。
スペイン風邪はインフルエンザの一種で、当時は第一次世界大戦の真っ只中、 第一波、第二波、第三波がありました。
第一波は1918年3月アメリカのデトロイトやサウスカロライナ州付近で最初に流行し、アメリカ軍がヨーロッパ遠征と共にヨーロッパに渡り5月から6月に流行しました。
第二波は1918年秋に世界中に流行。
第三波は1919年春から秋にかけて世界的に流行。
世界で4000万人以上が死亡(当時の世界人口18億人)したと推定されてます。
日本人は45万人亡くなりました。
東京大空襲による犠牲者が10万人、 日露戦争による死者が9万人だと考えると、凄まじい被害だとご理解いただけると思います。
アメリカからのウィルスなのになぜ「スペイン風邪」と名前がついたか?
第一次世界大戦中だった為に士気を維持する為に、参戦国での報道が最小限に抑えられていました。しかし、その時のスペインは中立国だった為に、感染の報道は自由にされていました。スペイン王室の感染を多く報道した為に、大きな被害を受けているとの印象から「スペイン風邪」とパンデミックの名称になったとされてます。
スペイン風邪は戦死者1500万人に対して、感染者での死亡が多かったことになります。
スペイン風邪は今から約100年前です。当時は収束の為に、徹底した対策を義務つけたことが功を奏したようです。
新型コロナウィルスの対策を講じる上でも学ぶべき点が多くあるようです。
アフターコロナか?ウィズコロナか?
当初はAfter Coronaの世界はどうなるか?どの様にするべきか?
どんな世界になるのか?と思ってましたが、
長期戦が見込まれてる今はWith Coronaを考えながら、
私達がこれからどの様に生きるか?このままの社会構造でいいのか?
本当に大事なものは何か?を考える時間をくれたのかもしてません。
今は新型コロナウィルスの早い収束を願うばかりです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
皆さまもくれぐれも無理をせずに、お身体をご自愛くださいませ。